経緯
○設立まで
平成13年日本糖質学会(鈴木明身会長)にて、「本学会が日本の糖鎖科学の将来に対して、どのような提案が出来るか」という問題提起があり、その検討結果は「糖鎖科学研究拠点・コンソーシアム構想」と題する日本糖質学会のレポートとしてまとめられ、平成14年5月13日に公表された(www.gak.co.jp/jscr)。
ちょうどこの頃、省庁およびその関連組織の大型糖鎖研究プロジェクトがスタートし、その相互間の情報交換、共同研究の推進、リソースの共用、さらに、将来へむけた日本の糖鎖科学研究体制整備への提案を行うことが現実の重要な課題になってきていた。
その情報交換の具体策として、日本糖質学会(橋本弘信会長)は平成15年、コンソーシアム担当理事の谷口直之,鈴木明身を世話人とし、シンポジウム開催を企画した。
この主旨に基づいて、「第1回糖鎖科学コンソーシアムシンポジウム ―糖鎖機能の解明からシステム糖鎖生物学への統合へ向けて―」が平成15年11月4日(火)、東京コンファレンスセンター(飯田橋)にて開催された。
本シンポジウムでは、国の競争的資金で行われている大小さまざまな糖鎖研究プロジェクトの概要がその遂行メンバーにより紹介された。シンポジウム参加者総数は449名、その内訳は大学・国公立研究所(61%)、企業(25%)、官公庁・関連組織(10%)、その他(4%)であった。
○JCGGの発足とその後の経過
上記シンポジウム開催に合わせて、「日本糖鎖科学コンソーシアム」設立準備会議が行われ、会則案が検討された。この内容は、日本糖質学会平成15年第2回理事会での承認を経て、平成16年2月26日、大阪千里ライフサイエンスセンターにて日本糖鎖科学コンソーシアム設立(JCGG)会議開催への運びとなり、会則の承認と永井克孝理事長以下理事20名を選任、発足した。
以後、第2回理事会(4月10日、東大学士会館)では、監事、顧問、名誉顧問を選任、以下の当面の活動方針が決定された。
1)第2回シンポジウムの開催:古川鋼一組織委員長のもとで、JCGGと文科省特定領域研究班(古川領域代表)、NEDO、バイオ組合との共催により、平成16年8月25日(水)、砂防会館(東京)にて開催。内容は糖鎖プロジェクトの研究紹介、糖鎖研究のリソース、データベースの共有システム、領域外研究との連携などを主要課題とする。
2)リソース、データベースの共有
JCGGのメンバーによって取得され、JCGGが保管と分与を行うことが予定されている糖転移酵素遺伝子について、これを業務委託などにより遂行する。
3)国際ネットワークとの連携
本年11月21日ハワイにて、日米合同糖質会議後、合同コンソーシアム会議を行う。また、HUPO(国際ヒトプロテオーム機構)とHGPI(ヒト疾患グライコーム/プロテオームイニシャティブ) との連携の実現を計る。
第3回理事会(7月3日、東大学士会館)では、企画委員会が定められ、川嵜(委員長)、小川(智)、成松(以上副委員長)、谷口、鈴木(明)、楠本(委員長指名)の6名の理事が委員となり、JCGGの事業計画の立案が委託された。
第1回企画委員会は、7月21日、上野NSビルにて開かれ、JSTの将来計画、活動方針などが討議された。
以上